自動車には、さまざまな機能に応じて、多数の電子機器が搭載されています。ステアリングやシフトなどコクピット周辺、アクセルペダルや吸排気機関など車体制御、ナビゲーションやディスプレイオーディオなどエンタテインメント。そして昨今では子どもの置き去り防止のための乗員検知などに、各種のスイッチ、センサ、抵抗器、またこれら電子部品とソフトウェアを組み合わせたモジュールが組み込まれています。自動車向けの電子機器には車特有の暑さ・寒さ・振動・粉塵など過酷な環境への耐久性と、何より安全・安心を確保するための高い信頼性が求められます。アルプスアルパインは長年にわたって、これら課題に取り組み、世界各国の自動車メーカーから高い評価を得ています。
EV、自動運転など次世代CASE(※1)に対応するため、アルプスアルパインでは新たに「DCSプロジェクト(※2)」が発足。車載分野で培ってきた技術を基に、新たなテクノロジーを加えて未来の移動空間「Digital Cabin」を提案しています。「Digital Cabin」では五感を刺激し、移動空間を感動スペースにプロデュースします。
10年後の車はどうなるのか? もっと先の未来で車はどうなっている?
「Digital Cabin」は、アルプスアルパインが考える次世代モビリティの一つのカタチです。まだまだこれから、もっともっと新しい感動が生まれる移動空間を考えていきます。
※1 CASE (Connected, Autonomous, Shared & service,Electric)
次世代の自動車に必須とされるファクター。「コネクテッド、自動運転、カーシェアリング&サービス、電動化」を指しています。
※2 DCSプロジェクト
DSC(Digital Cabin solution)プロジェクトは、2021年から活動を開始した組織。自社のコア技術を駆使するとともに、協業企業とのコラボレーションによって「感動ある移動空間」の実現を目指しています。
音・光・空気・映像・振動を使って、人の五感に響く空間をクリエイトします。
操作者のフィーリングを究めたHMI(Human Machine Interface)技術、車や人の状態を確認するセンシング、車外とのつながりに不可欠な通信技術。そして、サウンド/ビジュアル/インフォテインメント領域でのシステム設計力・ソフトウェア開発力など。「Digital Cabin」開発では、これまで車載製品で培ってきたこれらコア技術を融合して、未来の移動空間を提案しています。
インプットには、複数のHMI技術を採用。また、プロセスの工程ではナビ・システムで培った演算力を活用しています。アウトプットの場面では音や映像、振動など多彩な技術で、キャビンに乗り込んだ人たちの目・耳・感触など五感にアピールする空間を実現しています。